HOME > アーツ代表社員ブログ: 山沢 滋: 2007年5月アーカイブ

山沢 滋: 2007年5月アーカイブ

先日、ある友人から自分が社長をしている会社について相談があると言われて行って来ました。内容は経理がきちんとしてなく、責任者が経理知識なく、かつ、処理をしている女性がオーバーフローしてしまっているので何とかならないか・・といった内容でした。実際に行ってみてびっくりでした。経理処理がなんとか・・といったレベルでなく、以下のような状況です・・。
・前年度が極めて多額の赤字であるにもかかわらず、株主へ多額の役員報酬を払っており、この原資がないためこれら株主から借入をしている。これでは、実質的には株主は何らキャッシュをもらえてないにもかかわらず、所得税だけかかり、かつ、会社の純資産を債務超過に追い込んでいるため取引先/銀行からの与信は低く、取引条件の悪化や新規融資が取り付けなくなっている。
・グループ会社に黒字法人があるのだが、そこからの役員報酬は小額である。
・グループの黒字法人の事務作業等を赤字会社が行っており、損益的に赤字の会社が黒字の会社の面倒をみている。
・月次決算のデータが、業者からの請求書明細と突合/修正のため、翌々月中旬でないとまとまらない。
・現金残高を合わせたことがなく、支払いについての決裁が実質的に行われておらず、バケツの底が開いているような状況である。

これらのことの改善は当然のこととして、この他株式価値が低下している今だからといったことでの世代間での株式移動や、グループ会社間での債権債務を免除しての損失移動(もちろん、寄付金リスクはありますが、対処方法も検討済です)といったことも手を打つことにしました。

これらの結果、債務免除で数千万円の純資産金額の回復+月3百万円程度の利益の増加で、財政状態は相当程度良くなってゆくと思います。

経理は単なる帳簿を処理するだけと思い込んでいたようで、非常に感心してもらえましたが、ちゃんとした財務戦略を持たないことで非常に多額の税金の支出してしまうといったことのみならず、体力のないガタガタの会社になってしまうというも是非みなさんにも知って頂きたいと思いました。

by 山沢

部門別損益

2007年05月23日
以前、このブログで部門別損益の重要性を書きましたが、本日ある会社でこの重要性を再認識させて頂くことがありました。ある顧問先においては、関与直後に会計ソフトのセッティングを打ち合わせ、勘定科目体系及び補助科目の設定(ポイントは経営者が必要な情報+法定必要データは何かといった点で決めてゆきます)の他、この会社においてはざっと3階層で末端においては250部門程度の設定を行いました。今回、決算で部門別の損益でおかしいところをつめていったところ、営業担当と顧客の間で請求の先送りや 外注先への支払金額がおかしいもの(現在調査中ですが・・)等が多々みつかり、現時点で驚く程の損益の修正が発見されました。
ここで言いたいのは、部門をこれだけ細かく設定しているから、こうしたことが会計データから判明するのであって、5部門程度では異常点の検出ができなかったであろうといったことです。
財務分析においては財務安全上の長期固定適合比率や流動比率、資本の効率的運用を図るための、資本利益率及びそれを因数分解(例:資本回転率×(原価率+経費率)等も当然重要ですし、財務リスク(資金の長期短期別の調達と運用先(流動性有と無)とのバランス)や大枠での問題点(例:資産の効率的な運用が出来ているか、同業他社に比べ対売上運送費率が高い)を把握できます。こうした分析も当然重要ですが、何が損して何が利益を上げているかといった決定的な情報を上げてくれる部門別損益はより重要なものとなります。この場合、部門は細かくすればするほど有用なデータが抽出できます。
と、いうことで、部門別損益は手間はかかりますが、是非チャレンジしてみてください。

by 山沢

M&Aアドバイザリー業

2007年05月21日
先日、知り合いの会計士からその顧問先のM&Aに関する件で紹介されて会ってきました。なんでも超大会社と分社型共同新設分割でJV(Joint Venture)を設立するのだそうです。今現在、某大手M&Aコンサル会社ら3社からの見積もりがほぼ3社とも3千万円程度と聞いてびっくりしました。以前、私がC&Lでアドバイザリー業務やっていた時のレートってクラスに当然よりますが、大体1時間当たり1.5万円から4.5万円程度だったのですが、今回の場合ボリュームから考えると単純作業が大量にありそうにもかかわらず、1時間当たり3万円はとっていると思います。内容から考えると高い・・・。絶句です。場合によっては提携先の会社と共同して、私どもで作業内容を軽量化した上、レートも下げて、対応してしまおうか検討中です(この場合、劇的に安くなります・・笑)。

by 山沢

システム開発

2007年05月17日
現在、私どもの事務所のプロフェッショナルスタッフ(含む私)のタイムレポートに基づいた損益管理システムを外注して開発中なのですが、当初想像していたよりも非常にてこずっています。そのシステムとは各人のタイムレポートに入力した得意先(プロジェクト)別の投下時間に各人の標準売価時間を乗じて、その乗じて算出された金額と実際の売上金額を対比して採算性を管理するだけのものです(厳密にはスタッフ別のパフォーマンス管理等もあります)。また、EXCELで雛形及び計算式等の仕様もばっちり作成しての依頼でしたので、もの凄く簡単なイメージだったのですが、実際に作成して頂くとwebベースなので、ディスプレイ次第で表示が変わってしまったり、実際に入力する際にサーチキーがないと実用に耐えないことがわかったり等等 最初に作成して頂いた状態よりかれこれ30-40項目程度改善/修正を行っています。このインプット画面が終わった後にやっとアウトプット画面を作成して頂くので、まだまだ大変です。で、何が言いたいのかというと、ソフト開発の専門知識が無い私が想定する大変さ と実際の大変さってゆうのは想像以上に物凄い差があるんだということが分かったといったことでした。
これだけシンプルなシステムで発注時点で仕様を相当つめた状態でこれですから、複雑な業務系システムや発注者が漠然としたいことを伝えて開発する場合は・・・・ウーン・・・。

by 山沢

海外への支払い

2007年05月10日
随分と書くのが空いてしまいました。反省・・・。
で、昨日、今日とあるソフト会社の海外への外注払いについての源泉徴収の有無等についておもいっきり時間をかけて調べまくっておりました。
こうした国際税務系のものは、内容によって非常に複雑です。
何重もの点について、判断しながらフローチャートを進んでいきます。今回もそのうちたった1点(支払った取引の内容がどの所得の種類になるかといったことでした)だけとっても、以下のように意見が割れました(人によって判断が違うため重要性が高い場合、関係条文を理解した後、私はあっちこっちと照合し最も適切そうな考え方を検証します)。

見解A:某BIG4超大手国際税務事務所のマネージャー、国税局相談員1名、3箇所の税務署の源泉担当者、日本公認会計士協会の国際税務相談課担当官

見解B:韓国大使館租税担当者として電話にでた方、国税局相談員2名

もちろん、電話等で説明した範囲内での判断ですので確かなことは言えませんが、それなりにこういった論点に精通している方々でもこれだけ意見が割れてしまいます。

前述した通り、こうしたフローチャートの節目にあたる判断項目は非常に多々あります。
今回のケースでは、以下のような点が検討点になりました。
1.取引先における恒久的施設(PE)の有無?
2.今回の仕事が国内源泉所得のうち、どの種類の所得(役務提供、使用料(及び著作権の譲渡)、事業)となるか?
3.日本国内と海外との両方で作業している場合、国内!源泉所得はどの金額か?(所得の種類により判定方法が変わります)
4.日韓租税条約において、2.で判定した所得の種類はどの条文の所得に該当するか?

以上、1-4に従って、フローチャートは非常に複雑なものとなってゆきます。

税務ってもっとシンプルに簡単に出来ないのでしょうか?
外国法人や非居住者への支払いはさておき、せめて国内法人や居住者への支払いの源泉制度なんて廃止すべきなんじゃないかって思います。(=ちゃんとみんな申告すれば国庫収入は同じなるんで、源泉廃止して脱税の取締に力入れた方がいいんじゃないでしょうか?)

by 山沢

潮干狩り

2007年05月01日
本日はアーツ税理士法人の初日でした。PBXの設定等も終わり、あとは注文した本棚、会議室の机等を設定すればやっと一息です。(ただ、名刺、封筒等はまだです・・あ、あと大家様との各種書類のやりとりも・・お客様との契約の再締結、各種自動引落等の再設定・・あれ?) 早く雑用から開放されて本業へ集中したいものです。

で、昨日は千葉県金田(東京湾アクアラインの千葉側)に家族で潮干狩りに行ってきました。私の実家は八景島シーパラダイス傍でそこには無料で潮干狩りが出来るとこがあるのですが、この金田は有料(大人1200円2kgまで無料持ち帰り)だけあって、採れること採れること・・。私は釣りもそうなのですが、ちゃんと食い物の成果があって帰ってから食べるといったことが大好きです。この金田は広大な部分がほとんど水溜りが点在する程度まで潮が引きますので、小さい子がいても全然大丈夫です。意外と大人も楽しめますので、是非年に1度は行って見てください。都心から車で30-40分程度ですよ。

by 山沢

カレンダー(2007年5月)

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

最近の記事一覧

profile

代表
近藤正明
昭和40年2月12日生
公認会計士・税理士、
 
山沢 滋
昭和39年 11月2日生
公認会計士・税理士、
証券アナリスト

AertsGroup

アーツ税理士法人東京事務所
アーツ税理士法人北関東事務所
アーツ会計士事務所
アーツ社会保険労務士事務所
プレミアムキャピタルマネジメント株式会社
株式会社日本企業評価研究所
株式会社オルトエアーアライアンス