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アメーバ経営

2007年03月29日
昨日、京セラ稲盛氏の「アメーバ経営」といった本のかいつまんでを読んでみました。
アメーバ経営とは、会社内に損益単位を大量につくり、それぞれが損益管理するもので、特にアメーバ間の社内取引価格についてまで交渉で決まるため、会社内においても市場主義を取り入れているといったものです。
私のサラリーマン時代のC&Lにおいてが、これと同様の管理が行われていたため、このアメーバ経営を知る前からこの素晴らしさをある程度理解しているため、実際に当事務所も担当者毎の損益を報告し、これに基づいて担当者が意思決定を行っているため、この路線に沿った経営をしてはおります。

が、私どものように損益責任者がお客様の直接の担当者であり、売上が直接帰属するようなサイズ及び事業内容の場合はよいのですが、京セラのようなサイズのメーカーの場合、特にその製造部門での適用がどうして出来るか疑問でした。(=各製造工程が生産する仕掛品について、マーケットプライスもなく、次工程への売却価格をどのようにして決めているのか分からない)
これについて、京セラがどのようにしているか記載してある箇所がありましたのでここに簡略化して記載してみたいと思います。


「各アメーバ間(例:A製造部門とその仕掛品を受け取るB製造部門がアメーバとした場合)での取引価格は、アメーバのリーダー同士が交渉して決定することになる。・・しかし、アメーバリーダー同士では、どうしても利害の対立が起こり、トラブルが発生する可能性がある。この際は両アメーバを統括する責任者がつねに公平で正しい判断を行ってゆき、どちらが正しいかという視点で指導を行わなければならない。・・・これらの者はアメーバリーダーたちが納得するような正しい判断基準とすばらしい人格を兼ね備えていなければならない。」

<strong>うーん、なるほど、企業内での取引価格は最終的に社内裁判所みたいなところで決定されるといったことだったのですね。</strong>

ここの部分の仕組みを知っておけば、理論上は相当幅広い業種においても適用可能だと思います。(現実的にはメーカー等の外部への仕入(含む経費)から売上にいたるまで、多くのアメーバを経由して達成される場合においては、それなりのシステム導入費用及び維持管理費がどうしてもかかるため、最低限の企業規模は必要となってしまうと思いますが・・)

経営のための会計システムを目指しているため、非常に勉強になりました。ある程度の規模以上のお客様には有用性がありそうな場合、導入自体の検討もアドバイスしてゆこうと思います。

by 山沢


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