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山沢 滋: 2011年4月アーカイブ

約1か月前、このブログにおいて日本の個人金融純資産約900兆円から日本の政府の純債務約750兆円を差し引くと、150兆円しか余裕しかなく、2010年の国債発行額約40兆円で割ると、あと3〜4年しか国債を国内で消化できないといった危機的状況にあると書きました。

この話を友人等としていると、「日本人ってそのまま放置するほどバカかなー?」とか「でも、なんとかなるんじゃない?」といった根拠なき楽観論を仰る方が余りにも多いので驚いています。

ここでなんで、私がこれほど危機的及び悲観的に思っているか理由を書いてみたいと思います。

1.政府の債務がGDPの2倍と、信じられないくらい多い(一人平均750万円の借金で、1家族平均3人と仮に仮定すると1家族2250万円もの借金がある状態で、この金額は毎年増え続け、かつ、少子化のため、お金を稼ぐ者一人当たりの借金は更にが増加中・・・悲)。

2.未だに地方において特に日本全体の視点で政治家を選ばず、自分の目の前にお金や橋や駅や助成金・・・を持ってきてくれるような自分(達)になにをしてくれるのかといった視点で政治家を選ぶ傾向がある。

と、ここまではありきたりな話だと思います。

 

特に意識が薄く、かつ、非常に重要な点として皆さんに意識してもらいたいのは、以下の点です。

3.借りている金額は、その金額の何倍も実際は多額である。

これは何かというと、赤字国債による公共投資(財政支出)は、その金額以上に極めて大きい有効需要を生み出します。その反面、財政緊縮により成し遂げる財政黒字化により、赤字国債を圧縮しようとすると、その支出圧縮額以上に極めて大きく有効需要を減らしてしまうといったことです。

分かり難い説明だと思いますので、簡単な例で書いてみると・・(貯蓄率10%と海外流出分が仮に40%の場合)

10億円赤字国債を発行し、10億円で橋を建設→その下請け、経営者/従業員等の所得が6億円増加→所得が増えた個人や法人が更に消費又は投資で5.4億円支出→これに伴い、また経営者/従業員等の所得が3.24億円増加→また個人や法人が消費や投資で2.9憶円支出→・・・

といった効果だけで、(10億円+5.4億円+3.2億円+・・・)といった凄まじい投資・所得・GDPの増加を行うだけでなく、これらの所得増加による税収増加(仮に9億円としましょう)があり、結果として財政赤字の増加額は、10億円から9億円を引いた、たった1億円だけで、何十倍?ものGDP増加効果を及ぼすのです。(実際には原油等の海外への支出分については効果は減額します)

このロジックは、財政支出を減らした際には、全く逆に作用します。また、例で書いてみると・・

公共投資を10億円削減→今まで受け取っていた経営者/従業員等の所得が6億円減少→所得が減った個人や法人が更に消費や投資を5.4億円減額→これに伴い、また経営者/従業員等の所得が3.24億円減少→また個人や法人が消費や投資の支出を2.9憶円減少→・・・

といった効果だけで、(10億円+5.4億円+2.9億円+・・・)といった凄まじい投資・所得・GDPの減少を行うだけでなく、これらの所得増減少による税収減少(仮に9億円としましょう)があり、結果として財政支出の減少額は、10億円から9億円を引いた、たった1億円の国の借金を減らすために、何十億円ものGDP減少効果を及ぼすのです。

このような事を理解すると、GDPの2倍の借入を、少子高齢化といった動かしようもないハンディキャップを背負った日本を返済してゆくことが極めて難しいことを理解してもらえると思います。

過去、今と異なり、日本の役人が素晴らしき戦後復興期、そして高度成長を導き、とても貢献した時期もあったといったことが良く言われます。私からすれば、前述の効果から、皆さんが認識している以上の何倍もの大きな金額を将来から先取りしていた部分(財政赤字による需要創出分)が相当占められており、かつ、その使用先が、極めて価値のない事(道路を年末に掘り起こしては埋めるとか・・不効率な役所の役員とか・・)に相当程度使われていったことです。そう考えれば、何十年も前において、赤字国債で財政支出を行えば、お金をどぶに捨ててても結構豊かな国になれた訳です。ただ、これは、こうしたロジックを認識せずに、「政治家や役人が、公共投資等で豊かにしてくれて有難う!これからもそういった政治家を選ぼう!」といった国民に問題があったのは否めないとは思います。

今更、過去についてどうこうすることも出来ないのは当たり前で、出来ることは将来への行動です。

そうなったらなったで何とか人や国家がしてくれるだろう・・などと、国に依存するのではなく、仮に国家が財政破綻しても大丈夫な状況にしておくべきであります。

国家の財政破綻に対応するには、どうしたら良いのか?

これは非常に難しい事ですが、一つ言えることは財政破綻後において、外国資本が更に日本に入り込んでくるでしょうし、また、そうせざるを得なくなるはずです。よって、日本は更なる国際化に対応せざるを得ないのでしょう。そうした際においても、ある程度の収入を労働力で得れるようにしておく必要があるということなのでしょう・・。

また、前回も書きましたが、円の価値が暴落し、相対的に外貨及び海外資産の価格が上昇擦れるのであれば、円で借入を行い、外貨や海外資産を保有することは、とても良い対処方法となります。丁度、これと同じことが出来るのが、FX取引となります。しかも、レバレッジをかけられるため、保有財産以上にポジションを組むことができます。ただ、これを行われる場合、以前はレバレッジ200倍、現在でも50倍のレバレッジを組むことが出来ますが、私としては4倍から5倍程度のレバレッジに抑えられることをおすすめします。マーケットの乱高下に高いレバレッジだと耐えられず、将来の大きな利益を生む前にFX用に入金した金額が全額なくなること請け合いです。

対象としては、前回と同様のお話となりますが、豪ドルあたりがいいのではないでしょうか?なぜなら、政治、経済の安定、資源国であるといった以外に、今後、日本の金利が高くなった際においても、豪との金利差の逆転まで余裕があるため、金利差を支払がなかなか生じず、現時点では高いスワップ金利を受け取れるといったことです。

ただ、今すぐ投資することはお勧めしません。震災後、豪ドルが急騰してしまったからです。私見ですが、相場はありうべき方向に素直に進むのではなく、真逆に大きく振れることがあり、あと数年の猶予がある?とすれば、少なくとも1度は大きな円高局面を迎えることがあるのではないかと思っています。よって、そのチャンス時にFXで豪ドルを取得すれば良いのではないかと思いますし、実際にその予定でいます。

いざその際に対応できるように口座を開設しておくことはもちろんですが、ちゃんと練習も行っておきましょう。事前に取引の練習を行い感覚をつかんでおかないと、いざという時に、大きく投資することはできません。

 

 

最後にもう日本はダメかと言うと、以下に挙げるようなドラスティックな施策を同時に多数執り行なえる位おこなわなければなんとかなるのではないかもしれませんが、果たしで出来るかというと・・?

・公務員の給与平均でも3割減(ポジションによるメリハリが必要)

・最低賃金の撤廃により低賃金労働力の提供(これで労働力の国際競争力がでる+未就労者の減少による財政負担の減少) ただ、貧富の差は大幅に拡大します。

・緊縮財政により浮いた金額で国策による特定事業分野の強化(国際競争力の創出)

震災前だと、真っ先に原子力発電と挙げたのですが・・・。

・新興国等に広大な敷地に大規模な老人ホームを設立し現地人による低コストの介護体制の確立(老齢化社会への対応&現地雇用創出になるといったことでODA費削減&介護している者が外で働けるようになることで新規労働力の創出)

これについては、異論のある方も多いと思いますが、それだけ老齢化社会のコストは、若い労働者にかつて経験した事のない程の極めて重い負担をさせてしまうことになるため、これに対し経済的にも整合性を有する何らかのプランが不可欠となってゆくはずです。

 

 

 

 


 

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昭和40年2月12日生
公認会計士・税理士、
 
山沢 滋
昭和39年 11月2日生
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