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買収価格の決定

2007年03月20日
本日はある会社のM&Aに関してアドバイス業務を行いました。本日改めて痛感したのですが、合併/株式交換/事業譲渡等の巧拙により株主価値の視点では何年・・場合によっては何十年分の損益が変わるにもかかわらず、時間と情報がないことを理由にほんとにざっくりエイヤと決めていることが多いことです。手を抜ければ抜けるといったことと、その重要性の認識に対し経営者の認識が、低いことが理由だと多いと思います。仮にデューデリジェンスに5百万円かけるのであれば、やはり、ビジネスデューデリジェンス及びそれに基づいたバリエーションに5-20百万円はかけて頂きたいと思います。M&Aが行われた際に、統合前の個々の株主資本価値の合計と統合後の株主資本価値を比べると平均で70%程度に減額しているといったデータを先日何かのレポートで読みました。買収する場合、通常、買収される会社はプレミアムを払われて買収されてゆくことも考えれば、買収している会社の価値は激減していることになります。それだけ、一般的にはひじょうにずさんで割高な金額(DCF法で目標値として相手から提出された将来利益をそのまま額面通りに受け取って買っていっている・・)で買収しているといったことです。
こうしたことは、株主価値を毀損しているにもかかわらず、規模がでかくなって経営者利得があると考えて行動する経営者の行動に問題があるからです。ホリエモンによって企業価値極大化による経営が、市場株価総価値の極大として歪曲されて多くの方に理解されてしまっており、残念でしょうがありません。正しい企業価値経営とはDCF法における評価結果を最大値にすること(将来の期待キャッシュインフローを最大に・・それを獲得するためのリスクを極小化するといったこと)であるといったことを皆さんに理解して頂ければうれしいですし、それを伝えてゆく努力もしてゆきたいと思います。

by 山沢
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