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合理化社会の行く末

2010年09月07日

コンピュタ―・ロボット化社会を前にして、約5年前位から以下の疑問が浮かぶようになりました。

「どんどんコンピューターやロボット等が進化し、仕事がない人が増加していくと、その人々はどのように生きてゆく(=お金を稼いでゆく)のだろう・・・?」

物事を極端に考えると分かり易いので、私の場合、必ず極端な状況を想定してみます。

例えば、人間と同レベル近いAIをもったロボットが開発されたとすれば、ロボット自体の開発以外の全ての仕事(肉体的だけでなく知識産業も含む)はなくなり、資本だけが代替のきかない価値を創造するものとなるのです。でも、資本家は少数であり、需要(=消費)を行う一般大衆は所得がないため、結局、資本家も最後には死滅してしまいます。

私の行っている業務の一つの税務申告業務等は、ソフト化に馴染み、まさに業務縮小の予兆を感じていたため、このような疑問が比較的早く思い浮かんでいたのです。

これに対する自分なりの答えが、最近やっと固まってきました。

一品270円均一居酒屋に見られる飲食業界での弱肉強食社会について、テレビでも取り上げられ、弱者がだんだんと増えていることは周知のことだと思います。これも前述のコンピュータ化・ロボット化と同一のベクトルのものであり、結局は合理化により、同じ仕事(又はアウトプット)を行うのに、少人数で済んでしまい、残りの人間は仕事がなくなるといったことです。

現在、仮に敗者と勝者の比率が、9:1だとします。合理化が進むと、敗者の数が増え、それに伴いマーケットがより小さくなります。これに伴い、今まで勝者の中にはいたが、勝者としては一番弱いものが敗者になります。そうすると、またマーケットが縮小し・・・・。

こうなるとどんどん勝者の比率が永遠に小さくなってゆくはずです。

ところで、世の中、勝者は敗者より社会的力が強いのは事実だと思います。

ですので、敗者:勝者の比率が9:1でも勝者は敗者の抑えが効きます。

ところが、先述のように、敗者:勝者の比率が95:5 更には99:1になったらどうでしょうか?

いずれは、敗者の力が勝者の力を上回る日がやってくるはずです。

この場合どうなるか?ワークシェアリングを社会上の仕組みで強制的に行ったたり、セーフティーネットの強化、所得再配分の強化といった過程を得ながら、最終的には社会主義に戻らざるを得ないのではないでしょうか?

皮肉にも 社会主義→資本主義となっている世の中が社会主義に逆行する可能性が高いのではないかと考えます。

ただ、こうした移行フェーズは、日本単独ではおこりません。仮に日本で先行してこのようなことが起こる予兆が出ると、資本家は移行しなさそうな国に財産をもって逃避してゆきます。

そうすることも各国は出来ずに、結局、真綿で首を絞めるように、各国が同じレベルで移行してゆくのではないでしょうか?

では、いつそのようになるのか?? きっと、日本の財政破たんのようにぎりぎりまで、大きく動かずに一気に移行してゆくのでしょう・・・。ですので、今はうっすらと予感がある程度と思われるでしょうが、驚くほど早くその時がやってくるのではないかと思います。(ただ、救いは新興国が経済水準が極めて低いため、これが先進国に追いついてから本格的にこういった論点が浮かび上がってくるものと思います。)

最後に・・・、誤解しないで欲しいのですが、私自身は投資資本理論が最も得意であり、そうした効用をとても受けている方だと思いますので、極力資本主義が続いて欲しいと思っております。

 

 

 

 

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